科学の方法

中谷宇吉郎
科学の方法 (岩波新書 青版 313)


雪の研究で有名な中谷氏(~1962年)の名著だ。

和泉多摩川にあった小さな本屋に行った時に、その奥まった棚で見つけた。まだ、amazonに在庫があるようだから、普通に手に入ると思う。文章はわかりやすく、簡潔、明快だ。中学生には難しいだろうが、高校生なら普通に直球として理解できるだろう。

科学の限界、科学の本質、測定の精度、質量とエネルギー、解ける問題と解けない問題、物質の科学と生命の科学、科学と数学、定性的と定量的、実験、理論、科学における人間的要素、結び、(付録)茶碗の曲線

目次は以上。読んでいて背筋がのびる。たいへんスタイリッシュだ。忘れた頃にまた繰り返し読む事になるだろう。理系の研究者である私にとって、忘れてはいけないこと、常に立ち戻るべき事が書かれている。科学と正面からつきあう事なしに、現代社会を生き抜くことはできないのだから、その意味では、現代人すべてに必須の常識とも言える。