2006-01-01から1年間の記事一覧

モギ ちいさな焼きもの師

リンダ・スー・パーク 原題は"A Single Shard"です。たった一つのかけら、でしょうか。私は、この原題を知った時、物語全体のあのシーン、このシーンが溢れ出てくるのを感じました。12世紀の韓国の話です。日本で鎌倉幕府ができたころです。橋の下でくらす少…

オトナ語の謎。

監修:糸井重里 ほぼ日刊イトイ新聞に連載されたものを本にしたものです。 http://www.1101.com/otona_news/index.htmlデパートで娘と妻が服を選ぶのを待つ間、暇つぶしにと本屋で買った本です。笑った笑った。小六の娘も一緒に読んで大笑いしました。彼女に…

魔法使いハウルと火の悪魔

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ じきに公開されるジブリ映画『ハウルの動く城』の原作です(この記事を書いたのは2004年夏)。読まれた方多いでしょうね。実は私はずいぶん前に最初の10Pぐらい読んで挫折していました。あの時は図書館の本だったので、今回は逃…

子どもの本のみせ ナルニア国

http://www.kyobunkwan.co.jp/Narunia/index.html 松屋銀座の向かいあたりにある教文館の6Fにある児童書専門店です。この教文館っていう本屋が入っている建物がえらく古い石造りのビルでした。なかなかまっすぐに上へ上れないという。ブックセラーアムズ (…

アメリ

ジャン=ピエール・ジュネ ロングランをやっていたので何度か映画館に足を運ぼうと思ったが、結局見ずに今まで来ていた。ハートフルな内容らしい、というのと、『デリカテッセン』という奇天烈な映画の監督であるジュネのイメージが合わずに、先延ばししてい…

バイオハザード

ポール・アンダーソン ゾンビがたくさん出てきて、血みどろになるので、その方面の嫌いな方は避けた方がいいと思う。ビデオゲームのバイオハザードシリーズは、言うまでもなくカプコン社がドル箱としている人気シリーズで、私も何度となくゾンビとの戦いにあ…

マルコビッチの穴

スパイク・ジョーンズ かなりトリッキーな一作である。ちなみにエッチ満載なので大人向け。アイデアが秀逸で、ぐいぐいぴっぱられる。売れない人形使いの男が、職に困って変なある会社に就職する。ビルの7階と8階の間に作られ、いつも腰を曲げてあるかないと…

サイン

M.ナイト・シャマラン 『シックスセンス』のナイト・シャマラン監督の映画で、主役はメル・ギブソン、しょぼくれた親父役だ。彼は、幼い息子、娘と、自分の弟と一緒に田舎の一軒家にくらしている。その家の隣の、トウモロコシ畑が踏み倒されて、ミステリーサ…

随筆集『だれも知らない小さな話』

佐藤さとる Amazonのショッピングカートに入れっぱなしだった本を、CDを買うついでに購入した。それがこの雑文集だ。佐藤さとるは、私にとって児童文学ファンタジーと言えば、それはイコール『だれも知らない小さな国』だというほど好きな作家だ。ただこれは…

時空の鏡:シンクロニシティ

奈良原一高「時空の鏡:シンクロニシティ」展 http://www.syabi.com/topics/t_narahara.html 東京は、歩く街だなぁ、と思う。 たとえば京葉線の東京駅とか。 羽田空港で、はずれのターミナルに行く時もかなり歩く。 地下鉄の日比谷駅での乗り換えも最初は驚…

ゲド戦記

アーシュラ・K・ル=グウィン 「ゲド戦記」を読了しました。 6巻の別巻を読んでから、5巻の『アースシーの風』(The Other Wind)を読みました。良い時間を過ごさせてもらいました。特に4巻以降は初めて読んだので、新鮮な楽しみを得ました。読了したのは金…

KILL BILL

The Last Samuraiに続けてKILL BILLを見た。こらまた似た趣向の、つまり日本を舞台に、日本刀を振り回すアメリカ人、という映画だ。もちろん仕上がりは、まったく異方向を向いているが。ちなみにR指定です。血飛沫、首・腕ちょんぱ、内蔵出てくるし。たしか…

The Last Samurai

監督: ビリー・コノリー DVDを借りてきて見た。なんとも舌足らずな、不思議な映画だな。沢木耕太郎が暮しの手帖で言っていたように、架空の世界の物語なんだね。ほとんどは明治維新の頃の日本を踏襲しているのだけれど、そのあたりを舞台に架空の世界を描い…

塊フォルテッシモ魂

PS2のゲーム『塊魂』のサントラ『塊フォルテッシモ魂』を買った。やっぱすごいねこれは。Amazonのレビューでは濃い連中が五つ星を連発しているし、私も当然五つ星だ!CDで改めて聞いて、新沼謙治のヒップポップ「月と王子」が良いと思った。「ファンキだ」と…

ポグリ

中川いさみ 中川いさみの『ポグリ』を買って読んだ。漫画です。実は『クマのプー太郎』が好きで、中川いさみはどうしてるかな、と思っていたらWebで『ポグリ』を見つけた。 http://www.kadokawa.co.jp/book/poguri/いいねぇ。主人公のポグリの絵がいい。妻は…

宮本隆司写真展「壊れゆくもの・生まれいずるもの」

小雨降る中、近所だが気持ち的に遠い世田谷美術館へ行った。宮本隆司の写真展を見るためだ。廃墟の写真を集めた『建築の黙示録』や、解体直前の『九龍城砦』で有名だから、それなりに人が多いかと思ったが、けっこう閑散としていて、やはり写真では客は来な…

アドルフに告ぐ

手塚治虫 第二次世界大戦のドイツと日本の話だ。あるBLOGに必読と書かれていたのを真に受けて、読んでみたのだが、たしかに、おもしろい。夕方に読み始め、読みふけって、結局夜中に全巻読み終わった。悲惨なシーンが多い。でも主人公(彼は狂言回しと自分の…

家守綺譚

梨木香歩 死んでしまった友人が住んでいた古い家に、一人で居候(家守)をすることになった若い小説家の話だ。友人が幽霊になって時々現れる。植物の名前をタイトルにした掌編が多数集まって、連作になっている。池澤夏樹が毎日新聞の書評で上手に誉めていて、…

13歳のハローワーク

村上龍 NHKで村上龍がインタビューを受けているのを、たまたま見た。その数分で、それまでこの本に対して抱いていたイメージとは違う印象を持った。それまでは、我が家には13歳はいないし、私自身も職業ガイドが必要な状態ではないし、もし私が転職を考える…

花とアリス

岩井俊二 http://hana-alice.com/ 人間ドックがすんであいた午後、新宿まで歩き、50人ほどの小さなシアターで映画を見ました。映画が終わりエンドロールが始まった時に私は、あ、そうか映画を見ていたんだった、と思いました。そうだ、これは映画だったんだ…

ユリイカ 2004年1月号 特集*クマのプーさん

A・A・ミルン原作の『クマのプーさん』の特集です。書店に並んでいたころは忙しく読む暇はないだろうと思ったのと、なにより『クマのプーさん』に関してあえて何か語る事があるのかな、と疑問に思ったのが、買わなかった理由でした。今回、小川洋子の特集で…

イノセンス

押井守 映画の『攻殻機動隊』の続きという設定になっています。前作を見ていなくても話はわかりますが、細かな設定やキャラクターの役割をまったく知らずに見ると、わけがわからないかもしれません。ご存知ない方に少し説明します。未来の話です。たぶん日本…

塊魂

http://katamaridamacy.jp/ 駅前を通る時に、放置自転車がすっきり消えてくれたらな、とか、渋滞の高速道路で、目の前の車の列がパッと消えてくれたらな、とか思うことがある。またはゴジラのように街を蹂躙してみたい、なんて反社会的なことを考えたりした…

ロード・オブ・ザ・リング

『王の帰還』を再読して、とりあえず映画『ロード・オブ・ザ・リング』について何か語る準備はできた。さてどこから語ろうか。普段は、映画とその原作を比較するのはあまり意味がないし、やりたくない、と思っている。ただこの映画に関しては原作抜きでは逆…

カフェカッパン (cafe Kappan)

http://www.pub.co.jp/mountain/index.html 出張で訪れた福岡は暖かいというより、初夏の陽気でした。帰りの搭乗時間までの合間に、ひさしぶりにイムズに行きましたところ、五階に不思議な書店&カフェができていました。名前はカフェカッパンと言います。新…

カフェカッパン

福岡に行ってました (2004/3/17)。