読書感想文 www.hayakawa-online.co.jp 学んだこと: 私自身がドグマにしばられていたことに気づいた。 学歴偏重が問題なのは分かっていたが、それは能力を適切にあらわしていないからだ、と思っていた。 そもそも能力や功績で、人の扱いを変えることがもた…
言い訳と先読み -考えるな感じろ- スポーツや格闘技を扱ったマンガやドラマで、「考えるな感じろ」という言葉が時々出てくる。例えば、松本大洋の「ピンポン」で、ペコに対し、オババが「頭使うな」と言ったのを思い出す。 頭とか、考えるとかいうのは、大…
J.ティプトリーJr ティプトリー晩年の短編集である。千歳烏山図書館で、文庫をパラパラとめくっていて、読むのをやめられなくなって借りた一冊。原題は"Out of the everywhere: and other extraordinary visions"である。副題にあるように、普通のレベルを越…
コニー・ウィリス ジャンルはSFだろうが、ミステリーと言ってもいいかもしれない。SF味は薄い。上下巻で1300ページもあるが、会話が主体で、ドラマのERのように話がどんどん展開するので、苦なく読める。色々な意味で面白い読ませる小説だ。読み応えのある面…
T.E. カーハート (著), Thad E. Carhart (原著), 村松 潔 (翻訳) 「面白い本」という言い方には、いろいろなニュアンスが含まれている。それは「おいしい料理」にもさまざまな言い含みがあるのと同じだ。まず、夢中になって楽しめる小説や、ドキドキさせてく…
チャールズ サイフェ (著), 林 大 (翻訳) 最近、数学読み物にはまっていて、色んな本を読んでいる。この本は、ゼロの登場から現代に至るまでの、ゼロのさまざまな影響をスリリングに描いている。「ゼロは魚雷のように米国の軍艦ヨークタウンを襲った」という…
M.J.アドラー、C.V.ドーレン著、外山滋比古、槇未知子訳 原書は、“How to Read a Book” (1940年出版)、訳出は1978年だ。本の読み方を指南している。それも、「読むに値する良書を、知的かつ積極的に読む規則を述べた」本だ。フィクションの読み方も第三部で…
TUTAYAのDISCASには、インターネットを使った映像配信サービス(Windowsのみ対応)があります。物は試しと以前から見たかった『トランスフォーマー』(マイケル・ベイ, 2007年)を525円で見てみました。2Mbpsの映像がどの程度なのか、という興味もありましたが、…
夕食時に、SF映画って面白いよねという話を、かなり一方的に家族に話した。いろいろ作品を挙げつらっている内に、そういえば自分はSF映画が好きなんだな、と改めて思い至った。その勢いで、SF映画マイベスト、というリスト(後述)を作ってみた。みなさんの好…
そこからBunkamuraまで降りて、スペイン坂を登って、途中昼ご飯を食べ、最後に向かったのが、たばこと塩の博物館だ。入館料はなんと100円だ。『西アジア遊牧民の染織』という民族色豊かな織物が展示されていた。そんなに古くなく19世紀中盤から20世紀後半ご…
そこから、途中、鍋島松濤公園で亀の甲羅干しを見て、すぐ近くにあるのが、戸栗美術館、陶磁器専門の美術館だ。初期伊万里が展示されていた。ここは財団法人で、入館料は1000円だ。初期伊万里というのは1610〜1650年ごろの色絵が始まるまでの最初期の伊万里…
最初は、京王井の頭線の神泉駅から歩いてすぐの松濤美術館だ。我々が行った2008年5月には、『中西夏之新作展絵画の鎖・光の森』というのをやっていた。一度行ってみたかった独特な外観の建物だ。入館料は300円と区立らしい安さ。B1と2Fが小振りの展示会場に…
連休最終日、見事な雨上がり五月晴れ、渋谷に妻と出かけて、小規模のミュージアムを巡った。
セルジオ・メンデス セルジオ・メンデスの新譜です。じいさん若い。ボサノバやっぱ好きですね。それに、このアルバムは豪華絢爛たるゲストにフィーチャリングされています。どれもカッコいい。途中、ドリカムの吉田美和の歌声が聞こえて来たときには、あまり…
永井均 とは何か (シリーズ・哲学のエッセンス)" title="西田幾多郎 とは何か (シリーズ・哲学のエッセンス)" class="asin">私は哲学の本を読むのが好きです。なので色々手を出してはいます。ただ西田幾多郎はさっぱり分からなかった。この本の冒頭でも書か…
大平健 森氏の本にも引用されている1995年発行の岩波新書、名著です。ベストセラーになったように記憶していますので、既読かもしれません。精神科医の著者が、病院を訪れた数人を題材に、昔とは違う現代的な「やさしさ」について語っています。もう13年も前…
森真一 ヒット作続出の注目新書であるちくまプリマー新書から一冊読みました。もし私が中高生だったら、プリマー新書を全冊読破、とかやってしまいそうだな。最近の若い人、特に大学生と話すときに、なんか妙な違和感を感じていました。良くわからなかったの…
イアン・マキューアン 大分に行く時、羽田で買った。本には出会いってのがあるんだと痛切に感じさせた一冊。これはすごい。ロンドンに住む、ある脳外科医の土曜日一日を描いた本。ちょっとググればわかるように、多くの人が影響を受けている。340ページ、厚…
中村昇 じゃぁ、人間の眼は簡単にだまされる、オンボロなのか、というと、話はそう単純ではない。例えば、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫色に反応する眼を持っていたとする。そうすれば、もっと正確に色を見ることができる。ところが数が増えると色々と問題が出…
前野隆司
これまで赤いとか青いとか言っていたけれど、それは、人間が見てそう思う、ということだ。人間の目を無視して色を名づけることはできない。「700nmの波長の光」と「人間の頭の中の赤」が一致しているから、700nmの光は赤い、ということになる。ここで三原色…
真っ暗な部屋の中だと物は見えない。見えるのは自分から光を出している物、つまり明かりだけだ。部屋の電気をつけると物が見える。だから物の色は、明かりから出た光が、物の表面や内側で反射した光の色だとわかる。では物の色は、明かりの色と同じか、とい…
明かりに色があることは誰でも知っている。太陽の光は白く、真夏などは青白いと思えるほどだ。もちろん眩しさ、光の強さもあるが、色もある。朝や夕方は赤い。赤黄色いという感じか。季節や天気、空気によってずいぶん色は変わる。冬の関東の朝夕の太陽は格…
山田玲司 「非属」というのは、群れに属さない、という意味だ。最初のページに以下のように書かれている。 ・「空気が読めない奴」と言われたことのあるあなた ・まわりから浮いているあなた ・「こんな世の中おかしい」と感じているあなた ・本当は行列なん…
村上春樹 実を言うと、村上春樹を最後まで読み通したのは初めてだ。以前『世界の終わりと、ハードボイルドワンダーランド』を友人から薦められて、半分まで読み挫折した経験がある。その後も、数ページ読んだ小説はいくつもあるが、読み終わった事が無い。読…
疋田智 もう一度、自転車に乗ろうと思っている。すでに廃車寸前の古い自転車は粗大ゴミに出して、来年春、自転車を買うことを目指している。この本が、そのきっかけだ。著者は、TBSのディレクターで、毎日、自転車で24kmの通勤をしている。その道(自転車ツ…
三田 誠広 近所の本屋に行ったら、ベストセラーの棚のトップに上野千鶴子の『おひとりさまの老後』という本が並んでいた。タイトルは、この三田の本のパクリだな。しかし、おひとりさまの老後についても、もちろん色々と考えておくべきことは多いだろう。こ…
内山節 1965年まで日本人は、全国各地で、キツネにだまされていた。しかし1965年以降、日本人は一切キツネにだまされなくなった。著者は、山野を巡って釣りをするのが趣味で、いまは群馬県上野村に家を持つ。彼は山村で村人から、キツネにだまされた、という…
中山庸子 しばらく前から、朝早めに出勤するようにしている。いまは家と職場が近いので、特別な努力をしなくても、朝早く行くのは難しくない。そして、早朝出勤と合わせて、早起きを習慣づけたいと思っている。ただ、こちらは、必ずしも上手くいっていない。…