2003-04-01から1ヶ月間の記事一覧

メディアージュ「かいじゅうたちのいるところ」

東京ビッグサイトに産業用VR展を見に行って、その帰りにお台場メディアージュ付近の探索をしてきた。メディアージュはおじさんが一人で行くところではない、という感じだ。あたりまえか。ちょっと場違い。ここにはモーリス・センダックの『かいじゅうたちの…

神秘の短剣

フィリップ・プルマン 短剣によって切り裂かれた傷口の血が止まらない。『黄金の羅針盤』のつづきを、あっというまに読んでしまった。おいおい次はいつ読めるんだ?原書はもう出ているのか?翻訳に入ってるのか?なにぃっ、原書が今年の冬だって?!前作を読…

どら平太

市川崑監督 こいつはいいぞ。時代劇だ。おやじに見てもらいたいなぁ。痛快だ。絵も役者もいいね。特に主役の役所広司がいい。鶴太郎もいい。猫八さんもいいね。あえて言うなら、浅野ゆう子はもう一歩、うじきつよしは出なくて良い、というところか。ちょっぴ…

鬼の橋

伊藤遊(ゆう) じみな表紙の児童書だ。黒を基調に茶色で古い木造の橋が描かれている、数羽のカラスが配されていてさびしい。そこに赤く「鬼の橋」と毛筆のタイトルもたいへんじみで古臭い、普遍的、ともいえる。それだけに普通なら手にとらないかもしれない。…

ぼっこ

富安陽子 本屋でおはなしの本を手にとってみる。ときどきそれを持ってレジへ向かう。金を払って手に入れる。どういうときに手に入れたいとまで思うだろう。そのときの気分やそれからの時間の使い方によってちがう。新幹線で大坂まで行く前などには買ってしま…

黄金の羅針盤

フィリップ・プルマン 『黄金の羅針盤』の感想を書こうと思っていたのだが、ちょっと気になる点があって遅れていた。その上、まだこの一冊では話は終わっていない。全部で三巻で完結するらしいのだが。感想を書く助けになるかと思って、とりあえずWeb上で感…

きりぎりすくん

アーノルド・ローベル いま午後4時ちょうど、フレッシュネスバーガーで、昼とも夕飯ともつかない食事をとっているところだ。アーリーアメリカン調の大きな窓から外が見える。さっきまで曇っていたが、陽がさしてきて、椅子の足のながい影が木目の床にのびて…

モモ

ミヒャエル・エンデ

子どもの肖像

谷川俊太郎・詩 百瀬恒彦・写真 子どもたちの小さいときの写真に谷川俊太郎がつけた詩と、5年後の写真で編集された、とても力づけられる写真集。自分の中の精神力が落ちてくると見かえして元気を取り戻す。 2000/3/18 few01

パヴァーヌ

キース・ロバーツ 有名な改変世界小説。今でいうとスチームパンクだろう。その改変世界の歴史を追って短編が並んだ構成になっている。中に、信号手を扱った最高に印象的な作品がある。短編ファンタジーとしては私のベストに入る。サンリオSF文庫であり、復刊…

裏庭

梨木香歩 日本を舞台にした本格的なナルニア型ファンタジー作品。派手さはないし、肝心な所に疵はあるものの大好きな作品の一つ。ただ万人受けでなく、好き嫌いのある作品のようだ。その原因の一つは、作りが鼻につく作風かもしれない。その作り具合が肌にど…

すぐそこの遠い場所

クラフト・エヴィング商會 AZOTHの事典。クラウド・コレクターの姉妹編である一冊。これだけだと不思議な世界を丁寧に描いたという感じだが、クラウド・コレクターを読んだ後だと、さまざまに複雑な印象が得られる。 2000/3/18 few01

どこかに○いってしまった○ものたち

クラフト・エヴィング商會 初代クラフト・エヴィング商會がかつて扱っていたが、本体がどこかへ行ってしまった、という設定で架空の商品のパッケージや取り扱い説明書を集めたもの。丁寧な仕事がひかる一冊。 2000/3/18 few01

オルガニスト

山之口洋 パイプオルガンにまつわるSF小説。ただしSF的意匠は本質的でなく、あくまで音楽に関わる人々の青春小説として読むのが正しいだろう。バッハの音楽的解釈に関してはいろいろ異論もあるだろうが、まずはエンターテインメントとしてできが良いので、気…

Think -夜に猫が身をひそめるところ-

吉田音 クラフト・エヴィング商會プレゼンツの最新作。それまでのとは趣向がかなり異なるが大変楽しめた。最近読んだものの中でお気に入りの一冊。 吉田夫妻(クラフト・エヴィング商會)の娘である音(おん)ちゃんの日常雑記のような書き出しになっている…