海の上のピアニスト

ジュゼッペ・トルナトーレ監督


以前から気になっていた映画をやっと見たのは昨年末だ。『ニューシネマパラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレの映画だ。『ニューシネマ...』は大好きな映画で、やられたと思った。ところで『ニューシネマ...』も、ちゃんとカットを戻した版を見ることをおすすめする、ずっとわかりやすく、ずっしりと良いから。

さて、この『海の上のピアニスト』だが、面白かった。でもずいぶん変な映画だ。なんというか全体におとぎ話めいている、マジックリアリズム風というか。だから共感して泣いたりはできなかったし、たぶん、そういう映画ではない。でも良い映画だ。一つ一つの話題がどれもグッとくる魅力的なものだし、それを丁寧に丁寧に映像化してある。

私にとってはやはり、初めてピアノを録音する場面が良い。窓の外の女性に目を奪われて、音楽に情感がこもって行く雰囲気がごまかしなく描かれている。


2002/5/10
few01