カフェの話

編者:アスペクト編集部、発行:株式会社アスペクト


昨年(2000年)の12月、ヴィレッジバンガード新百合ヶ丘店)に行った時に買った本だ。久しぶりに行ったあの店はやはりかなり危険だ。なにがって片っ端から買いたくなってしまうもの。結局この本と、つじあやののCDを買うにとどめたが、あぶないあぶない。

これは全国各地にあるカフェの店主へのインタビュー集だ。私が行ったことのある店は一軒もない。


カフェ・アプレミディ(渋谷)、カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュ(鎌倉)、エトワ(京都)、エピカフェ(福岡)、エフェッシュ(京都)、オーガニック・カフェ(目黒)、カフェ・オ・ゴーゴー(渋谷)、コンテンツ・レーベル・カフェ(大阪)、サロン粋(金沢)、タンクギャラリー(大阪)、カフェ・ドジ(京都)、トリトンカフェ(神戸)、ヌフカフェ(恵比寿)、ファブ・カフェ(札幌)、マドマド(神戸)、ミル(名古屋)

けっこう関西が多いのに気づく。単に数だと東京が多いはずなので、関西のカフェはレベルが高いということだろうか。

店の紹介本ではないので、どういう店なのかは一枚の写真とインタビューの中身から推測するしかない。いずれにしろどの店も実に個性的で、そしてたしかに帯に書かれているように私もすっかりかぶれてしまった。その帯には次のように書かれている。


いつか世界中のどこかでこの界隈の「あの感じ」に幻想と憧れの想いを抱いてカフェを作ってみようと思う人も現れるかもしれない。

作ってみたいなぁ。ぜひ。なるべく早く。そのためにはコーヒーと料理と経理が必要だな。場所はどこがいいだろうか。あまり田舎では客が少なすぎて早晩つぶれてしまうだろうし、都会過ぎるとビジネスが優先してしまい目的のカフェは作れないように思う。そうかだから関西か。チミー一緒に作らないか。

読みながら思ったのは、たしかにお洒落なんだけど、ただお洒落というのではなくて、それぞれの店主の個性、生き方があらわれているんだなぁ、ということ。音楽に関心の中心がある人、コーヒーや紅茶、中国茶など飲み物に関心が強い人、料理に関心がある人、サロンにしたい人、一人で落ち着ける場所にしたい人、さまざまだ。

この本の中にパリ4区にあるラ・ベル・オルタンスというカフェが紹介されている。ここは本屋/カーブ・カフェ、つまり本屋とワインショップとカフェが一つになった店らしい。なんと朝4時までやっている。いいなぁ。ぜひ趣味の本屋(もしくは小さな図書室)とカフェを一緒にしたい。

誰か近くにそういう店作ってくれないかなぁ。


2001/2/18
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その後、喫茶店経営の本などを読むようになった。客単価とか、損益分岐点とかいう言葉を知った。また店に入ると、その店が長続きする店なのか、短命に終わりそうなのか、客層はどこを狙っているのか、スタッフの質と量などを気にとめるようになった。喫茶店に限らず、飲食店経営を長続きさせるのは、そうとうむずかしいらしいことも知った。日経MJを読むようになった。自分の興味だけでやってゆけるほど甘くないことも知った。経理か調理かいずれかの経験、もしくは資格も必要なことを知った。それでも、まだあきらめていない。あきらめなければいつか必ず実現すると、思っている。自分にとって、今はまだその時でない、とも思う。

2003/5/13 追記