スペーストラベラーズ

監督:本広克行、脚本:岡田恵和、原作:『ショビショバ大ピンチ』 ( 構成・脚本・演出 児島雄一 )


久しぶりにレンタルビデオを借りて見れる時間ができたので、『踊る大捜査線』のスタッフが作ったこの映画を、娘と見た。終わり方に批判が集中していたので心配していたが、まぁそんなに酷くない。それよりもそれまでにたっぷり楽しませてもらった。娘と大笑いしながら見た。楽しい映画だった。銀行強盗の映画には面白いのがたくさんあるが、これを見て『遊びの時間は終わらない』(監督:萩庭貞明、原作:都井邦彦、脚本:斉藤ひろし)を思い出した。モッくんがはまり役で、これもけっこう好きな映画。

スペーストラベラーズ』は、金城武ら三人が実にいい加減に銀行強盗を始めてしまう話だ。銀行側は、銀行員の深津絵里が、同じ銀行員の浜ちゃん(ダウンタウン)と結婚するので、仮装パーティの準備中だったりする。ハプニングや偶然が連続して、肝心の強盗は映画らしく裏目裏目に出て、どんどん話がでかくなってしまう。

金城ら三人の、かなり世間離れした、すっとぼけた善人らしさが映画をさわやかなものにしている。他はかなりベタなギャグなので、このコントラストがあるとないとでは大違いだろう。映画のいたる所に過去の映画へのパロディーが散りばめられているので、映画ファンならいろいろと思い当たるのも、この監督ならではの楽しみだ。

スペーストラベラーズ』ってのは、三人組の一人が好きなアニメのタイトルで、結局これが銀行強盗団の名前になる。冒頭にこの映画のために作ったというこのアニメが入っている。雰囲気としては『銀河旋風J9』というかなりマイナーなアニメが昔あったがそれに似ている。そっちの方にもうすこし深みがあるとまた別の映画になっていたかもしれない。この映画の段階では、『踊る大捜査線』のカエル急便程度の意味合いでしかないと思う。そこがちょっと残念かな。


2001/2/17
few01