地球環

堀晃・著


http://www5a.biglobe.ne.jp/~sakatam/book/cyborg.html
に詳しく紹介されています。堀晃はハードSF作家ですね。ハードSFの定義ってSFの定義同様さまざまなので、ハードSF作家とは呼ばない人もいると思いますが。昔『太陽風交点』という短編集を読んでおもしろいな、と思いまして、その中にもおさめられている「情報サイボーグ」という設定にからむすべての短編を集めたのが、この『地球環』です。

情報サイボーグというのは、宇宙規模の巨大な計算機ネットワークと常時接続でき、まるで自分が考えているかのように、それらを使えるサイボーグのことです。なんか、こういう設定いろいろな所に出てきますね。

どの短編もなかなかアイデアが良くて楽しめます。しかし私が子供のころは、ものすごくニューウェーブって感じのアイデアだった「情報サイボーグ」も、いま読んでみると、なんとも古風です。あまりに急速にコンピュータ技術が進んでしまったせいでしょうね。でも、明らかに変という描写(ウルトラ警備隊で紙テープを読み解くような)は、さすがになく、堀氏のセンスの良さがわかります。


20002/5/9
few01