ダ・ヴィンチのファンタジー特集へのコメント(第二弾)


さてダ・ヴィンチの特集へのコメント第二弾です。

けっこう読んでいない本がある。
読んでいないおもしろい本があるのは嬉しいことです。


> 『はてしない物語ミヒャエル・エンデ/著 上田真而子、佐藤真里子/訳
これは大学生の時に読みました。S.E.O.さんに勧めてもらったんだっけ? 本のタイトルが大袈裟なので敬遠していた所もあったのですが、読んでみるとけっして大袈裟ではないことがわかりました。もちろん傑作ですが、類似品が出にくいタイプの傑作ですね。真似ようのないオリジナリティ、また真似したくない雰囲気があります。ストーリーテリングというか構成が見事で思わず読みふけってしまったことを憶えています。また本の装丁が綺麗でほれぼれしました。


> 『もりのへなそうる』わたなべしげお/著 やまわきゆりこ/絵
あれれ、へなそうるだ。昨年飛行船通信に書きました。いいっすこれ。


> 『みどりのゆび』モーリス・ドリュオン/著 安東次男/訳
知りません。


> 『ホビット ゆきてかえりし物語』J.R.R.トールキン/著 山本史郎/訳
こちらは悪名高い原書房版です。最近娘が夜寝る前に岩波版を妻に読んでもらっています。まだ始まったばかり。


> 『ドラゴンの眼』(上・下)スティーブン・キング/著 雨沢泰/訳
昨年話題になりました。スティーブン・キングだからつまらないはずはないのですが、本屋で立ち読みして、どうもテイストが気に入らずに未読です。


> 『アースヘイブン物語---ナタリーと魔法の呪文---』キャサリン・ロバーツ/著 金原瑞人/訳
知りません。訳は金原氏ですね。


> 『ハンカチの上の花畑』安房直子/著 岩渕慶造/絵
安房直子も日本のメルヘンでは外せない一人です。けっこう読みました。でもこれは読んでません。『きつねの窓』が印象的ですね。


> 『エルマーのぼうけん』R.S.ガネット/著 わたなべしげお/訳
エルマーです。幼稚園の時に読んでもらったのが最初の記憶です。今読んだらどういう感じがするだろう、と思ってパラとめくったことがありますが、途中でやめました。なんかちゃんと読みたいという気になったためです。


> 『だれも知らない小さな国---コロボックル物語1---』佐藤さとる
佐藤さとるはほとんどが講談社文庫版で持っているのですが、ハードカバーを持っておきたいな、と思っています。しっかりした装丁で再版されないかなぁ。


> 『ノンちゃん雲に乗る』石井桃子/著
あれれ。先日話題にしたノンちゃんです。さすがにクレヨンハウスのスタッフだから児童文学評論ぐらいは読んでるということか。


> 『クラバート』プロイスラー/著 中村浩三/訳
実は未読。読みたいとはずっと思っています。学生時代にチミーに勧められたのだけど。


> 『九年目の魔法』ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/著 浅羽莢子/訳
> 『魔法使いの卵』ダイアナ・ヘンドリー/著 田中律子/訳
> 『ダレン・シャン---奇怪なサーカス---』ダレン・シャン/著 橋本恵/訳
> 『ローワンと魔法の地図』エミリー・ロッダ/著 さくまゆみこ/訳
> 『ドラゴンランス』マーガレット・ワイス、トレイシー・ヒックマン/著、安田均/訳
これらは最近わんさか出た「新世代ファンタジー」と呼ばれる作品です。いずれも当然ながら未読。読んだ方いたらお勧めを教えて下さい。


> 『黄金の羅針盤フィリップ・プルマン/著 大久保寛/訳
ライラの冒険の一冊目です。一昨年に飛行船通信でレビューを書きました。話に入るまでずいぶん苦労しました。もう一度三冊頭から読んでみたい。途中に時間があきすぎました。


> 『年とったばあやのお話かご』エリナー・ファージョン/著 石井桃子/訳
> 『町かどのジム』エリナー・ファージョン/著 松岡京子/訳
> 『魔女のたまご』マデライン・エドモンドソン/著 掛川恭子/訳
まるっきり知りません。そもそも手を付けにくいタイプの本ですね。この辺りのジャンルに強い友人が欲しい(^_^)。


> 『ぽっぺん先生の日曜日』舟崎克彦
ぽっぺん先生と帰らずの沼』の方が先かと思っていました。日曜日の方が第一作だったのですね。二冊は岩波少年文庫に入りました。傑作だと思いますね。大好きです。アニメにもなったけどアニメはいま一ついただけなかった。それにしても岩波少年文庫
http://www.iwanami.co.jp/hensyu/jidou/jds_kk01.html
ってのはすごいラインナップだなぁ。全巻読破したい、などと野望を持ってしまいます。


> 『ビルにきえたきつね』角野栄子
魔女の宅急便』の角野氏の本です。概要を読む限りあまりおもしろそうに思えないのだが。おもしろいのかな。


> 『シャーロットのおくりもの』E.B.ホワイト/著 さくまゆみこ/訳
有名ですが未読です。これったファンタジーだったの?


> 『ふしぎの時間割』岡田淳
岡田淳の傑作群の中からこれが選ばれています。どれもできが良いのでいいのだけれど、『二分間の冒険』がすごいと思うな。そんじょそこらの見た目だけファンタジーって奴とは一線を画している。色々読んでみたい作家の一人です。


> 『車のいろは空のいろ 白いぼうし』あまんきみこ
「白いぼうし」は教科書に載ってました。三冊あります。
『星のタクシー』というのが最新で最近出ました。
なかなか評判良いので読んでみたいですね。タクシーという現代生活とメルヘンの取り合わせがポイントですね。


> 『長い長いお医者さんの話』カレル・チャペック/著 中村好夫/訳
> 『小さなスプーンおばさん』アルフ=ブリョイセン/著 大塚勇三/訳
> 『くまの子ウーフ』神沢利子
> 『たのしい川べ ヒキガエルの冒険』ケネス・グレーアム/著 石井桃子/訳
> 『ももいろのきりん』中川李枝子 中川宗弥/絵
いずれも有名ですが手に取ったことがありません。読む時期を逸してしまったな、というのが正直なところ。図書館に行ったときに探してみることにしよう。


> 『白狐魔記 源平の風』斉藤洋
しばらく前にOceanさんがレビューを流してましたね。


> 『空色勾玉』萩原規子
おぉ。空色勾玉です。「月代王、照日王など、実に美しく魅力的な登場人物に惹かれてしまう。神々の世界にどっぷりつかった後は、きっと放心状態に」だそうです。うまくシンクロできれば最高に面白いのだろうと思います。面白かったけど、私には、そこまでシンクロできなかった。


> 『ぼっこ』富安陽子
あれれ『ぼっこ』ですか。悪くはないのだが。やはり『クヌギ林のザワザワ荘』がいいね。また最近クレヨンハウスで読んだ『ムジナ探偵局』シリーズもなかなか良かった。


> 『月神の統べる森で』たつみや章
たつみや章氏も最近人気の作家さんです。このシリーズは読んでいません。たしかこれもOceanさんのレビューがあったような。


> 『ねこが見た話』たかどのほうこ/著 瓜南直子/絵
> 『マツの木の王子』キャロル=ジェイムズ/著 猪熊葉子/訳
知りません。御存じの方がいたら紹介文をよろしく。

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この特集を読みながら、中途半端さがダ・ヴィンチらしいと思いました。児童文学系っぽいのだが、少し幻想文学の臭いもまじっていて。また全体に掘り下げが浅い。この分野にも、家庭用品におけるIDEEやコンランショップのような目利きの世界があると思うんです。ダ・ヴィンチは郊外の大型書店の雰囲気がします。飛行船通信推薦のリストでも作ってみますか。そういうのは多いような気もするけれど。


どういうコンセプトがいいだろうか。


2002/6/15
few01