蟲師3

漆原友紀


蟲という精霊のような生物たちの棲む明治初期ごろ(かな?)の日本を舞台にした漫画です。蟲のことを良く知っていて治療をしたりする蟲師というのがおり、その一人であるギンコが主人公です。絵柄はふくやまけいこ風を、もっと描き込んだ細密な絵です。この絵柄はけっこう好き。中身は短編が一巻に数本づつ入っています。その『蟲師』の3巻目です。テイストも質も1, 2巻とほとんど変わりません。1年1冊ペースでゆっくり作られているのに、これほど変わらないというのは作者の中で、しっかりと印象が形作られているからでしょう。しかし残念ながら今回の3巻目には好きな話がありませんでした。どれもおしい。あえて選ぶとすれば四話目の「硯に棲む白」でしょうか。これまでの三巻の中で印象に残っているのは、「やまねむる」と「筆の海」ですかね。このシリーズはアイデア勝負の感じがありますが、大分枯渇してきたかな?ここらでぜひ長編にチャレンジしてもらいたいものです。


蟲師1, 2の飛行船通信は以下
http://d.hatena.ne.jp/few01/20030610


2003/3/17
few01