愉快なコンサート

ロバの音楽座
http://www.roba-house.com/


5月の連休中に、ロバの音楽座のミニコンサートを、青山の「こどもの城」で見ることができました。この人たちのCD『ロバの音さがし』は以前紹介しました。

妻と娘は、私より一足さきに、子供会で『ジグの空想音楽会』という音楽劇を鑑賞していましたが、私はライブは初体験です。

「こどもの城」の入場券だけで見ることができたのでお得でした。実は「こどもの城」も初体験です。地下鉄の表参道駅から歩いて、10分くらいでしょうか。国連大学の隣あたりにあります。劇場が併設されていて(そっちがメインかな)、アニーをやっていました。

こどもの城も良く考えられた施設で、快適に楽しめましたし、工作コーナーがすごく面白かったのですが、今回はロバの音楽座の紹介です。

こどもの城内の円形劇場は、すりばち状になっていまして、すりばちの底も客席になっています。前の方に白い幕が張られており、大きな箱やトランクなどが置かれた低い舞台になっています。正体不明の奇天烈な道具も置かれています。

座って待っていると、澄んだ美しい音色の弦楽器と木管楽器が両脇から聞こえてきます。あっと思って見ますと、明るい客席の間を楽しげに演奏しながら音楽座の人たちが降りてきました。私にはその瞬間光が会場にあふれたように思えました。明るく軽く、とても美しい音です。つまびいた弦の震えが直接に私を震えさせているようです。

やがて歌がまじります。歌声はやわらかく、無理がなく、張り上げたり、絞り出したりしない、洗いたての木綿のような声で、特別に上手だという感じはないのに、大変に魅力的です。歌詞の多くはわかりやすい日本語やオノマトペで、子供にもすっと入って行く歌でした。

演奏から演奏へのつなぎも、やわらかくリズミカルで、飽きさせません。客の引き付け方が大道芸風、もしくは寄席のようだ、と思いました。

次々に見たことの無い不思議な楽器がでてきます。紙で作った簡単な笛での演奏も、彼等が吹くと見事に音楽になるのは、たいしたものです。

「空想の船」という曲がありまして、これも途中で歌が入ります。この歌が入る所が、なんというのでしょう。思わず涙腺が刺激されてしまうのです。ドラマティックでもなんでもないのですが、リコーダーや弦など古楽器の音がとにかく美しくて、空中に引っ張りあげられて、歌でやさしくなでられるようです。

上述のサイトのCD紹介のところに、ちょっとだけMP3ファイルが置かれていますので、どんな音楽なのか聞いてみるとイメージがわくと思います。ただCDでは私は以前から知っていた曲だったのですが、こんなに音が美しいとは思いませんでした。

最後にアンコールを一曲やって、コンサートは何気なく終わりました。

サイトにある彼等の演奏スケジュールを見ると、いつもどこかで演奏をしています。人気があるのでしょうね。さもありなんです。彼等があのへんちくりんな楽器をかかえて日本中を旅して歩いているのかと思うと、もうそれだけでファンタジーだな、と思ってしまいます。


2003/5/23
few01


2004/2/9追記
文中で取り上げた曲名を、ML投稿時は「ハレノヒ」としていたが、「空想の船」の間違いだったので訂正した。「ハレノヒ」もとても良い曲で大好き。「空想の船」は曲想といい題名といい、飛行船通信にぴったりなので、勝手ながら飛行船通信社の社歌としたいと思う。


2007/5/5
ロバの音楽座のホームページのアドレスを新しいものに修正した。今日はロバハウスでのコンサートに行った。