ムーミン パペット・アニメーション

http://www.moomin-cinema.com/

ムーミンを見に、日曜の朝9時すこし前に渋谷のパルコパート3内のシネクイントに行った。日曜日の朝っぱらから渋谷に行くなど始めてだが、朝9時40分からしか上映していないので仕方がない。事前情報でけっこう混んでいるらしいことは知っていたのだが、スペイン坂を登ってパルコの前まで行くと、なんと20人ほど列ができていた。仕方がないので我々もその後に並んだ。シネコンや空いている映画館でしか最近映画を見ていないので、並んでまで映画を見たのは久しぶりだ。ま、長時間並んだわけではないので、たまにはいいかな。それにしても全227席が満席で、通路にも人が溢れるとは。こんなもの(とは失礼かな)に、これほど人が入るとは東京ってのはすごい街だな。

全部で78話あるらしく、今回上映されたのは36話で、一回の上映は6話づつ。私が見たのは、みなさんご存じの魔法の帽子の話だ。あのムーミンが変身してしまうやつだね。ただし連続ものなので、すごく中途半端な所で上映が終わった。魔法の帽子が決着するには、飛行鬼まで出てこないと終われないからな。

このアニメの特徴は、ヨーロッパ(ポーランドとウィーンのスタジオ)製作のパペット版のムーミンだという点だ。粘土(かな?)の体に布の手足がついていて、目が飛び出ている。完全な立体ではなく、半立体というかレリーフみたいな立体になっている。マルチプレーンを使って、複数の背景とムーミンたちの動くガラス板が重なって、奥行きが感じられる。

このパペットは、見始めた時は、けっこう違和感があった。なんか不思議な動き、不思議なリズムだと感じた。けどしばらく見ていると慣れてしまって、話を普通に楽しめるようになる。人間の慣れる力は速く強いな。声は岸田今日子さん一人で全員の声をしていた。ムーミンの声に違和感なさすぎ。映像は押さえた色調の、のんびりしたもので、眠くなる。妻は途中うとうとしていたし。娘はずっと楽しんでいた。

それと原作のムーミンってのはけっこう無気味な所があるのだけれど、このアニメもけっこう無気味なシーンがあった。オブラートに包まずに表現されている。途中で怖いと泣き出した子どももいた。さもありなん。でも、その無気味さと、キャラクターたちの可愛さってのが紙一重の所にあるんだな。単に当たり障りなく可愛いのより、ちょっと無気味さを背景にした可愛さってのは印象的、魅力的に映る。何故だろう。

なかなか良いので、この感じで『ムーミン谷の彗星』をやってくれないかな。見てみたい。

2003/7/31
few01