メディアージュ「かいじゅうたちのいるところ」


東京ビッグサイトに産業用VR展を見に行って、その帰りにお台場メディアージュ付近の探索をしてきた。

メディアージュはおじさんが一人で行くところではない、という感じだ。あたりまえか。ちょっと場違い。ここにはモーリス・センダックの『かいじゅうたちのいるところ』のアトラクションがある。それを見てみようと思ったのだ。

ちょっとここの仕組みは面倒なので、どうやったら見れるかを簡単に書いておく。まず電子マネーみたいなものを3階で購入する。一番安いのが1300円で、これには入場料800円とアトラクション1回分500円が入っている。それを持って各アトラクションの所にもってゆくと、カードから精算されるという仕組みだ。面倒くさい。

さてアトラクション入り口に行くと、マックスの格好をしたおねえさんが二人いて案内してくれる。子どもに話しかけるように優しく説明してくれるのだが、どうも気恥ずかしいというか、違和感バリバリだった。私がぼーっと立っている姿を想像してほしい。

アトラクションそのものは丁寧に作ってはあったが、小規模のかわいらしいもので、特別にすごくはなかった。原作のストーリー展開とはほとんど関係なく、かいじゅうたちのいる島そのものを表現したのだろう。

現象fという点から言うと原作の絵本は「行きて帰りし物語」である点が重要だと思うのだが、それはあまり考慮されておらず、特に帰りの演出がほとんどなかった。また私の身長は子ども達と違って高いというのもあるのだが、アトラクションの中から外のレストランが見えたりするのは、どうなのかな、と思った。もっと没入感が得られた方が良いと思うのだが。

アトラクション内の絵や、人形や、パノラマは大変丁寧に色使いも考えて作ってあって大変好感を持った。また小さな子どもの心の動きを十分に考えた操作インタフェース類にも感心した。だからちょっと惜しいという感じがする。

あれをせめて3倍ぐらいのスケールで、より没入感を増して、さらに「ゆきて帰りし」をたっぷりと演出してくれたら、目の覚めるような心に残るアトラクションになるだろう。(あぁ、そうかそれがディズニーランドなのか)


2000/6/14
few01