私・今・そして神
『<子供>のための哲学入門』を読んで面白かったので、同じ講談社現代新書の、同じ筆者の、この本を読んでみました。哲学の本です。これも面白かった。
最初の扉のところに、カラーの絵日記がついています。
X月X日
きょう僕は、白い雲が浮かぶ青空の下で、赤いセーターを着て青いズボンをはいて、散歩しました。
と書かれていて、その文の通りのイラストがついています。しかし、ページの下の方に、以下の活字の文章が載っています。
これはたしかに、むかし私が書いた絵日記だ。するとこのころの私は、このような青いセーターを「赤い」と言い、このような赤い空やズボンを「青い」と言っていたことになる。(第3章4参照)
? はて、これは何だ、という感じですね。
ちなみに第3章の4は、一番最後の節です。
私が読んだ永井氏の本に共通して面白い点として、扱っている問題が、単純で小学生にもわかるようなものだ、ということがあります。読んでいる途中に、娘に書いてある事を読んだら、素直に理解した上で、わからないなー、と言っていました。
たしかにわからない。素直にそう思えます。そして結構気持ちいい。