Book

バッテリー IV

あさのあつこ III巻を読んだのが大分前だったので、どういう所まで話がいってたのか完全に忘れていたが、ちょっと読んだら思い出した。横手の中学校と練習試合をするという話だった。あいかわらず上手い。今回、印象的だったのは、横手の瑞垣と門脇だ。中学…

ジャンヌ・ダルク―歴史を生き続ける「聖女」

高山一彦 ジャンヌ・ダルク研究は、ずいぶん大きな広がりを持っているとわかった。フランスでは飛び抜けて人気のある歴史上の人物ということらしい。日本だと義経かなぁ。でも義経は救国したわけではないから、ジャンヌ・ダルクは、もっと大きな存在なんだろ…

刀狩り

藤木久志 1588年7月8日に秀吉が出した「刀狩令」を、本の説明をもとに、私が適当に現代語訳すると以下のようになる。 第一条 百姓は刀、小刀、弓、やり、鉄砲、その他の武器は所持してはいけない。余計な武器を所持して、年貢をおさめるのを渋ったり、一揆を…

はじめからの数学 (5) 数学と自然法則 ~科学言語の開発

J・タバク (著)、松浦 俊輔 (翻訳) 学校で習う数学は、エレガントに整理された形で教わる。もちろんそれで良いのだけれど、最初からそんなに整理されていたわけではないんだな。当たり前だけれど。これらの本を読むとそれが良くわかる。数学の世界での偉人た…

はじめからの数学 (4) 確率と統計~不確実性の科学

はじめからの数学 (3) 数 ~コンピュータ、哲学者、意味の探求

はじめからの数学 (2) 代数学 ~集合、記号、思考の言語

はじめからの数学 (1) 幾何学 ~空間と形の言語

ローマ人の物語 17,18,19,20 悪名高き皇帝たち (1,2, 3, 4)

塩野七生 カエサル、アウグストゥスの後の四人の第一人者(皇帝)の時代が描かれている。 並べると、 ティベリウス(年寄) カリグラ(若造) クラウディウス(年寄) ネロ(若造) の四人となる。ティベリウスの巻の冒頭は、ナポリ湾にある小さな島の話ではじ…

寝床術

睡眠文化研究所 編 私は睡眠が好きだ。世の中には、長時間寝るのが苦痛だという人も、少なくないが、私は、たくさん寝るの平気。みなさんは、どっち派?なので「心地よく寝たい」という要求は強く、この本は、そういう私の目に止まった。書名からすると、HOW…

職人暮らし

原田多加司 古いお宮など、歴史的建造物の屋根を「葺く(ふく)」職人の親方である原田氏が、土木関連の職人の仕事、生活などを書いた本である。彼が書いているように、今は一種、職人ブームといった状況で、たくさんの本が出ている。しかし実際に職人が書いた…

決断力

羽生善治 短い、やたらにキレのある文がならんでいる。彼の将棋も、こういう感じなのだろうか。私は将棋は頓珍漢なので、わからないが。ここ20年で、将棋の世界は大きく変わったそうだ。要するにIT化の波が押し寄せたためだ。彼は、昔の名人と、現代の将棋指…

ミステリオーソ

原寮 原寮のエッセイ集だ。最近、あまりエッセイは読まなくなっていたのだが、伊豆旅行の友として、こういうのもありかな、と選んだ。結果、なかなか良い選択だった。というのは、旅行中というのは細切れの時間がけっこうあり、その瞬間瞬間に、ちょっとした…

ガリア戦記

カエサル これが2000年前の本だとは。人間はちっとも進歩していない。ガリア戦記は、ジュリアス・シーザーこと、ユリウス・カエサルが、2000年前に実際に自分が指揮をしたガリアでの戦いを記録した書物だ。ガリアは今のフランス、ベルギーとドイツあたりを指…

ドラゴンヘッド

望月峯太郎 面白かった、といっていいのかな、とにかく、どっぷりハマった。読んでいる途中、現実世界で、けっこう大きな地震があって、マジでビビってしまった。ゴールディング『蠅の王』の影響は確かに強いが、別の作品になっている。 (ちなみに映画『ド…

ハイペリオン

ダン・シモンズ これも有名なので先入観が先走っていた。どういう先入観かというと、遠い遠い未来、いや、大いなる古(いにしえ)の物語を語ろうではないか。全宇宙の覇権を握る、我らがハイペリオン帝国の栄光と没落を、エンディミオン王の勇猛なる戦いの歴…

深夜プラス1

ギャビン・ライアル ジャンル的には、スパイ小説に入れられているようだが、現役の諜報員は出てこないので、ちょっと違う。ハードボイルドタッチの冒険アクション小説か。舞台はヨーロッパ、パリから、スイス経由で、リヒテンシュタインまでの旅になる。シト…

ソラリス

レム 最近、ソダーバーグによって再映画化されたSFの古典だ。タルコフスキーのおそろしく眠たい映画としてご存知の方も多いだろう(ノーカットで見ると165 分)。私はけっこう好きだが。ところで『ソラリスの陽のもとに』というタイトルの早川SF版を読んだ人…

佐賀のがばいばあちゃん

島田洋七 もう、ずいぶん前に出版された本だ(2001年)。本屋で映画化記念のため、豪華版が出ていたので読んでみた。いい本だと思う。島田洋七あなどりがたし。すっと文が頭に入って、笑えて、泣けて、あぁそうだなと膝を打つ、そういう本だった。私は佐賀出身…

楽園のつくりかた

笹生陽子 最近、人気のある児童文学作家らしい。私ははじめて読んだ。相当に上手い。やられた、と感じた。都会の進学校から、田舎に引っ越してきた中1の少年の話だ。この少年、主人公らしからぬ、ちっとも可愛げのない、ガリ勉で、鼻持ちなら無い奴である。…

鳥類学者のファンタジア

奥泉光 性格のさばさばした、ジャズピアニストの日本人女性、通称フォギーを主人公にしたファンタジー小説だ。彼女は30代?、いい感じに落ち着いていて飄々としている。普通のファンタジーの主人公にするには、年を取りすぎているかもしれないが、この話では…

デザインのデザイン

原 研哉 真っ白にタイトル文字というストイックな表紙が目を引く。内容は、2002年に開催された「リ・デザイン展」という展覧会や、初期の愛知万博、無印良品などのデザインをあつかったデザイン論である。要するに、日常に馴染んでしまった、見えなくな…

スウェーデン式 アイデア・ブック

本屋に行くと、発想法に関する本が山のようにあって、これもその一つだ。ただ、いかにもビジネス書然とした他の本と比べて、大変お洒落で、絵もブックデザインもすてきだ。薄い本だが、内容も気が利いていて、ビジネス本臭さがなく、自分のライフスタイルに…

のだめカンタービレ

二ノ宮 知子 (1)-(11) ... 音大に通う学生たちを描いた漫画だ(いまは卒業後に話しが移っている)。面白いという評判だったので、気分転換に全巻買って一気読んだ。これはおもしろいね。「のだめ」のキャラクターがいい。北大の獣医学部を描いた『動物のお医…

子どもとマスターする50の考える技術・話す技術 - イラスト版ロジカル・コミュニケーション-

三森ゆりか, つくば言語技術教育研究所 最初のあたりは娘と一緒に、途中からは、娘と別々に読んだ。良くできた本だ。イラストもかわいい。基礎編、実践編、応用編に分かれている。後半になるほど難しい内容になる。しかし、何より基礎編だ。ちょっと見回した…

脳内現象 はいかに創られるか

茂木健一郎 『科学の方法』(中谷宇吉郎)に次の一節が出てくる。 また人間の自意識の問題などに、自然科学的な考え方を入れることも、あまり役に立ちそうもない、少なくとも場ちがいなものの考え方であると思われる。自意識のような問題は、これは個の問題…

科学の方法

中谷宇吉郎 雪の研究で有名な中谷氏(~1962年)の名著だ。和泉多摩川にあった小さな本屋に行った時に、その奥まった棚で見つけた。まだ、amazonに在庫があるようだから、普通に手に入ると思う。文章はわかりやすく、簡潔、明快だ。中学生には難しいだろうが、…

私・今・そして神

永井均 『<子供>のための哲学入門』を読んで面白かったので、同じ講談社現代新書の、同じ筆者の、この本を読んでみました。哲学の本です。これも面白かった。最初の扉のところに、カラーの絵日記がついています。 X月X日きょう僕は、白い雲が浮かぶ青空の…

リトル・フォレスト 1巻

五十嵐大介 彼のマンガの絵は、強い説得力をもつ。しかし作品の背後に流れる、心の動きはずいぶん脆い、という印象がした。特に『はなしっぱなし』『そらトびタマシイ』に強い。それが『リトル・フォレスト』では、ずいぶん安定したように感じられる。ただ通…

そらトびタマシイ